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ピロリ菌についてよく知ろう!!①

ピロリ菌とは正式名称を「ヘリコバクター・ピロリ」といい、胃の中に住む菌です。
ピロリ菌は胃や十二指腸の病気の原因になります。
主に慢性胃炎や十二指腸潰瘍といった病気の原因になりますが、ひどい場合には胃がんにまでなります。
ピロリ菌がいるのといないのとでは全然違い、ピロリ菌がいる人は胃がんになる確率がいない人の20倍以上になります。

ピロリ菌は先進国には少なく、発展途上国で感染率が高い傾向にあるのですが、日本では約50%もの人がピロリ菌に感染していると言われています。
中でも高齢者の人に多く、昔の衛生環境が整っていない時代に感染したと考えられています。

ここまで説明するとピロリ菌がすごく恐いものに聞こえてしまったかもしれませんが、ピロリ菌に感染した人がそれが原因で病気を発症する確率は5%程だと言われておりそれほど高い確率ではないようにも感じます。
しかし、胃がん患者さんの8割以上はピロリ菌を保有しているというデータがあるのも事実です。

最初にピロリ菌は胃の中に住んでいると言いましたが、これはとても特殊なことなのです。
胃では食物を消化するために胃酸という強力な酸が分泌されているので、普通の菌は胃の中で生きていくことはできません。
ではなぜピロリ菌は胃の中で生息できるのかというと、ピロリ菌は胃粘膜中の尿素をアンモニアに分解するウレアーゼという酵素を産生することができるからです。
ウレアーゼによって尿素をアンモニアに分解し、そのアンモニアで胃酸を中和することにより自身を胃酸から守っているのです。

これでピロリ菌の生態についての説明は終わります。次回はピロリ菌の治療(除菌)について説明します。