タグ別アーカイブ: 関節リウマチ

関節リウマチ③症状詳細と治療

症状詳細
まず、関節リウマチの症状の詳細としまして特徴のひとつに朝のこわばりがあり、朝目覚めた時に手や足が動かしにくいというものがあります。この症状はしばらく時間が経つと収まりますが関節リウマチの状態が悪いと症状が収まるまでの時間が長くなるので状態の良さを見極める指標のひとつとして重要です。
最初の記事で説明したとおり関節リウマチの関節症状は左右対称に現れることも大きな特徴です。頻発箇所は手の関節で炎症がひどくなるとまわりの軟骨や骨が破壊され変形し動かしにくくなります。場合によっては骨同士がくっついてしまい全く動かなくなることもあります。

こうならないためにもしっかりとした治療を受ける必要があります。

治療
関節リウマチの薬物治療では①痛みを抑えること②骨の破壊を防ぐことの2つの方面からアプローチします。
関節リウマチは直接命に関わる病気ではありませんが、痛みや骨の破壊・変形による動作の制限は深刻な問題となってきます。
また合併症(骨粗鬆症や感染症など)にも気をつけなければいけません。
関節リウマチは原因こそはっきりとは分かっていませんが治療方法はいくつもあり手術により関節修復という手もあります。
関節リウマチにはいくつか薬の種類があるので自分が使う薬がどのような特徴の薬なのか正しく理解して医師や薬剤師の指示通りに薬を飲むことが大切です。調子が良いからといって自身の判断で服用をやめたり量を調節してはいけません。
薬の種類については腫れや痛みを抑える薬と、免疫の異常を抑え炎症や骨の破壊を抑える薬の2種類に大別されます。
痛みを抑える薬に関しては専門的な違いはありますがどれも同じようなものだと思ってもらって構いません。
よく理解しておいてほしいのは炎症や骨の破壊を抑える方の薬です。
基本的にまず最初はメトトレキサートやタクロリムスといった抗リウマチ薬(DMARDs)を使います。
抗リウマチ薬はできるだけ早くから使ったほうが治療効果が高くなることがわかっています。ですので早期発見早期治療が重要なのです。
ただし、この薬は飲み始めてから効果が出始めるまで2~3ヶ月程度かかる薬です。また効果の出方や持続性も個人差が大きいです。
抗リウマチ薬で効果が出なかった場合はインフリキシマブ、エタネルセプトなどの生物学的製剤に切り替えるか、もしくは抗リウマチ薬と併用します。
この生物学的製剤は名前の通り生物によって作り出されたものを使用した薬で錠剤ではなく注射剤です。抗リウマチ薬は効果発現までに2~3ヶ月かかるのに対し、生物学的製剤は数週間ほどで効果が現れます。
痛み、腫れ、関節破壊を食い止める生物学的製剤は非常にありがたい薬ですが、感染症の副作用の恐れがあり細心の注意が必要です。(抗リウマチ薬にも少しは感染症の副作用のリスクがある)

薬物療法や手術以外にリハビリテーションがあります。関節リウマチの方は症状が出ている関節に負担をかけない方がよいですがそれを意識しすぎて変な動きになってしまったり、関節を動かさなさすぎるのも良くないので適切な運動を指導してもらうことが大切です。

以上で関節リウマチについては終わりたいと思います。


関節リウマチ②関節リウマチの診断

 

関節リウマチの全身症状は前回の記事で書いた通り炎症による発熱、貧血、血液異常などがありますが、これらの症状は関節リウマチ以外の病気でもみられるため関節所見や血液検査、X線、超音波、関節液の検査などで総合的に診断します。
次回の「治療」の時にも言いますが関節リウマチでは早期発見早期治療が後のQOL(生活の質)に大きく関わってくるので、あやしいなと思ったらすぐに病院に行くようにしましょう。
関節リウマチの進行はいくつかのパターンがあり、一気に進行する人もいれば、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら進行する人もいます。一度治ったかのような状態になって1,2年後に再び復活する人もいます。

少し話が変わりますが、みなさん関節についてどのくらい知っていますか??関節リウマチに絡めて一応サラっと説明しますので是非読んでみてください。
関節とは骨と骨をつなぎ合わせる部分のことです。(手首やひじ、ひざなど)
しかし、ただ骨と骨がくっついているだけだと硬い骨同士がぶつかってしまうので骨の端には軟骨があり、この軟骨がクッションの役割を果たしてくれています。
また、関節リウマチとは滑膜の炎症だと言いましたが、滑膜とは関節を覆っている膜のことで、滑膜から分泌される液によって関節が曲げやすくなっているのです。
関節を覆う滑膜ですが関節リウマチではこの滑膜が自己免疫により攻撃されてしまいます。
そもそも自己免疫(疾患)って何かというと、普通免疫とは白血球などが細菌やウイルスを異物と認識し、これを攻撃して体を守ることをいいます。しかし自己免疫疾患では細菌やウイルスだけでなく自分の体の組織までも異物と認識し攻撃してしまうのです。

 

では次回は関節リウマチ③症状詳細と治療について書きたいと思います。

 

関節リウマチ ①関節リウマチとは??

リウマチっていったいなんなの??どうして関節リウマチは痛みやこわばりが起こり、骨が変形したりするのかわかりやすく説明していきたいと思います。
関節リウマチはその名の通り関節症状を主徴とする慢性的な疾患です。
また、関節症状の他に全身性の合併症が起こることもあり生活の質(QOL)を下げるだけでなく合併症によっては命に関わってくる場合もあります。

○関節リウマチの原因と症状の経過
関節リウマチは関節の内側にある滑膜の腫れや痛みといった滑膜の炎症(滑膜炎)から始まります。
この滑膜炎が続き炎症がひどくなると関節の変形や破壊といったことが起こります。
関節リウマチの特徴としてこれらの症状は多発性、つまり1ヵ所ではなく何ヵ所も起こり、かつ左右対称に起こるというのがあります。
関節リウマチの関節症状以外の一般的な全身症状には発熱や貧血、体重減少などがあります。
原因については実はまだよく分かっていないのですが、免疫疾患だと考えられています。

まとめ
滑膜の腫れや痛みといった滑膜の炎症→骨の変形・破壊
免疫疾患
特徴:

多発性かつ左右対称性に発現
日本人の関節リウマチの推定患者数・・・70万人
男女比:約1:3  女性の方がなりやすい
30~50歳で起こりやすい

関節リウマチ②関節リウマチの診断に続く