前回は痛風の予防についてお話したのですが、頑張って予防に努めたら絶対に痛風にならないというわけではありません。その人の体質など遺伝的要因により痛風になってしまう可能性があります。ですので今回は痛風の検査と治療について書いていきます。
検査
痛風の検査は通常複数の検査を行い診断します。
まず、血液検査を行い尿酸値を測定します。尿酸の正常値は約7.0mg/dLで7.0以上を高尿酸血症とします。
血液検査の結果高尿酸血症と診断された場合、次に尿検査を行います。尿検査にはどのような意味があるのかというと、尿検査によって痛風のタイプを知ることができます。詳しくはまた後で説明しますが痛風には2つのタイプがあり、どちらのタイプの痛風なのか知ることは治療するにあたってとても重要になってきます。
この他にレントゲン検査や関節液の採取をすることもあります。これは体のどの部分で結晶ができ炎症が起こっているのか調べるために行います。
血液検査・・・尿酸値の測定
↓
↓高尿酸血症と診断された場合
↓
尿検査・・・痛風のタイプの診断
レントゲン、関節液の採取・・・炎症が起こっている部位の特定
治療
先程検査のところで出てきた痛風のタイプですが、「尿酸排泄低下型」と「尿酸過剰生産型」の2つのタイプにに大別されます。
2つとも名前の通り、尿酸排泄低下型は尿酸を上手く体外へ排泄することが出来ず、そのせいで尿酸値が上がってしまうタイプで、尿酸過剰生産型は排泄機構に問題はないが、尿酸が過剰に作られすぎるため排泄が追いつかなくなり尿酸値が上がってしまうタイプです。
通常処方されるお薬はこの2つのタイプのどちらなのかによって違ってきます。
尿酸排泄低下型の人にはプロベネシドやベンズブロマロン(どちらも一般名)といった薬が出されます。これらは腎臓の尿細管という場所から尿酸が血液中に再吸収されるのを防ぐことによって尿酸の排泄を促進する薬です。
この際、尿細管による尿路結石を予防する目的でクエン酸カリウムなどを併用したりします。
尿酸過剰産生型の人にはアロプリノールやフェブキソスタット(どちらも一般名)といった尿酸の産生を抑える薬が出されます(薬の作用機序は難しいため省略します)。
また、これらの種類の薬以外にも痛風発作を予防する薬や、がん化学療法に伴う高尿酸血症時に用いられる尿酸分解酵素薬などがあります。
その他、薬ではなくサプリメントでも尿酸・プリン体対策ができるものがあります。