糖尿病をわかりやすく解説③治療(1)

糖尿病がどのような病気なのかは説明したので今回は薬物療法を中心に治療について解説します。
糖尿病の治療には食事療法運動療法薬物療法があります。まず食事療法と運動療法について少しだけ説明してから薬物療法の解説をしていこうと思います。

食事療法では主にカロリー制限を行います。具体的には1日の摂取カロリーを1600kal以内とします。しかし糖尿病の人は肥満気味の人が多く、食事療法をしっかりと続けることは精神的にもなかなか難しいのが現実です。
食事療法:1日1600kal以内に制限する。

運動療法についてはあまり説明することがなく、とにかく運動しなさいということなんですが、激しい運動を短時間するよりも負荷の少ないウォーキングなどを時間をかけて行う方が望ましいです。
そしてこれは食事療法にも言えることなのですが「継続すること」が何より大切です。
単発的に行ってもほとんど効果はありません。
運動療法:負荷の少ない運動を継続的に行う。

ここからは薬物療法について解説していきます。
糖尿病の薬はたくさん種類があるのでひとつずつできるだけ簡単に解説したいと思います。

●α-グルコシダーゼ阻害薬   主な商品名:ベイスン
α-グルコシダーゼ阻害薬は食前に飲む薬で、食べた物の消化や吸収の速度が遅くなり、血糖値が一気に上昇するのを防ぎます。
食物の消化・吸収を助けるα-グルコシダーゼという酵素があり、この酵素の働きを阻害して消化・吸収スピードを遅くするのがα-グルコシダーゼ阻害薬です。
このタイプの薬は食後の血糖値が急激に上昇するのを防ぐというものなので、血糖値の上昇を完全に防ぐ効果はありません。食物がゆっくり吸収され血糖値もゆっくり少し上昇します。
この薬の良い所は副作用が少ないという点です。
α-グルコシダーゼ阻害薬:
α-グルコシダーゼ阻害⇒食物の消化吸収がゆっくりになる⇒血糖値の急激な上昇抑制

●SU剤(スルホニル尿素薬)  主な商品名:アマリール
インスリンを分泌するすい臓を刺激してインスリンの分泌量を上げることにより血糖値を下げようという薬です。
ただしこれはすい臓にインスリンを分泌する力が残っている人にしか効果がありません。(すい臓にインスリンを分泌する力がない人にでも効果があるという説もある)
副作用としてはインスリンが出すぎて低血糖になったり、お腹が空くといったものがあります。なんだか本末転倒といった感じの副作用ですね。
SU剤は主に運動や食事制限が出来ている痩せ型の人に使う薬です。
SU剤:すい臓刺激⇒インスリン分泌量増加⇒血糖値低下

続きは次回の記事で説明します。
まだあと5種類もの糖尿病治療薬があるので、もしかすると次の記事でも説明しきれず、3つの記事にまたがってしまうかもしれませんがご容赦下さい。糖尿病治療薬続き(2)

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